下村豪徳
Katsunori Shimomura
代表インタビュー
ITで農業を効率化し 米作りを憧れの職業に
水稲農家向けスマート水田サービス「paditch(パディッチ)」は、美味しいお米を作るために必要な条件のうち、水位と水温を測定し、遠隔操作で水門を自動開閉することが可能です。こうした最新技術を活用することで、就農のハードルが下がり、大規模な複合農業経営も楽に行え、米作りが若者憧れの職業となることを目指しています。
農家の長男の私は、「農家は重労働で休めない」が当たり前だと思って育ち、農業が「かっこいい」と思えないという理由で家業を継がず、IT企業に就職しました。「長年の経験と勘が頼り」といわれる米作りは、今や高齢化と後継者不足が問題となり、今後は一人ひとりがかつて経験したことのない広範囲の水田を管理することが予想されています。
製造業で効率化を進めるエンジニアとして働く傍ら、実家の経理を手伝うことになったとき、私は「ITを取り入れることで、自然環境が相手でも、製造業同様に効率的なやり方を再現できる」という可能性に気が付きました。
さらには、管理の難しさや手間から取り組む人が少なくなった自然栽培や天日干しも、ハイテクやロボットを活用すればできるのでは? そうなれば「遠隔農法」や「人手不要農法」も可能なのでは?…米作りの将来に明るい予想図が広がるのを感じました。
さらに便利で快適な 米作りの未来へ
農業ITで起業した私は、「ITで農業を効率化」などと農家は誰も考えていないという現実にぶつかります。そこでまずは米農家が一番負担に感じている作業から課題解決に取り組むことにしました。そうして、水管理をサポートする「paditch(パディッチ)」が生まれました。
「スマート水田」をうたう製品のほとんどはセンサーのみの商品ですが、「paditch(パディッチ)」は水門の遠隔操作も簡単にできるところが違いです。水門の遠隔操作があってこそ水管理コストを軽減できるため、業界の関心は高く、多くの農業法人や自治体から視察いただいています。
農家の皆さんも実際に使うと「これは便利だ」と驚かれます。例えば、「よそのお宅の脇に水門があり、夜間や早朝の開け閉めが気まずかった」という方は、夜間タイマーの設置で気持ちも楽になったとのこと。また、兼業農家の方には「帰宅後に水を止める予定だったのに、急な残業が入った」というときに大助かりだと感激されました。
今後は水質や土質や地温も測って「長年の達人の技」や「これだけ抑えれば及第点」といった栽培ノウハウを蓄積し、現在の気象も鑑みて、よりよい方法の提案もできるようにします。また、AIやロボット製品と連携し、水田の除草や草刈り、田植えなども数年以内に自動化できると見込んでいます。
農業から生まれた最先端技術による米作りは後継者問題のみならず、世界的な食料問題の解決にもつながるでしょう。私たちは技術革新にチャレンジを続け、「100年先も発展し続ける米作り」を支えていきます。
セミナー・講演依頼
弊社代表の下村豪徳が、
農業IoTに関するセミナー・講演を実施いたします。
1.行政・自治体向け
・スマート農業と農業の未来
2.農業法人向け
・スマート農業と農業の未来
・自社サービス paditchを通しての農業×IoT
・IoT、AIの活用
3.起業家・経営者
・起業家としての心得、経営者マインド
4.学生
・夢・志の叶え方